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良すぎたアジアン・ジャパニーズ第1作
(2004-03-04)
旅人の証言が一つひとつ針のように突き刺さった。小林紀晴の視点は彼らと同レベルで、読みながらまるで自分がインタビューしているような錯覚に襲われた。
しかし・・・この初回作があまりに良すぎたため、これ以後のアジアン・ジャパニーズがどれも色褪せて見える。小林紀晴は今後この一作を超える作品を書けないだろう。文中にある通りこれは「壊れゆく美しさ」であり、すでに地位を確立した小林紀晴にこれ以上のものを求めるのは酷かもしれない。
そういう意味でアジアン・ジャパニーズはこれだけ読んで、あとは手に取らない方がいい。きっとガッカリするだけだから。
旅とは何か
(2003-06-30)
いろいろな旅行記がある。そんな中、アジアで旅をする日本人にスポットをあて、彼らの旅の「その後」も辿っていくのが新鮮なのが本書である。筆者の姿勢は、まことに真摯である。文面を読んでいてもそのことがありありと伝わってくる。逃げることは同時に戦うことでもあるというようなメッセージを筆者は読者に投げかけているが、どの方角なのかわからないけれど世界に対して一歩踏み出して行きたいという強い共感を覚えた。今ある生活を捨てて字義通り「旅をすること」だけが「旅」ではないことを教えてくれた。
一生やってなさい
(2003-06-16)
需要があるから供給がある。読者がいるから作家の生活も成り立つ。藤原新也、沢木耕太郎、そしてこの小林紀晴氏。どんな時代でも現実逃避をするために旅に出る若者がいる。旅はいい。異文化の人々との交流は新鮮で楽しいし、現実の生活から抜け出すことで、今まで気がつかなかった自分に気づくこともある。そう、旅はいいものだ。
しかし・・・・・・本書に登場する連中はいつまでぶらぶら貧乏旅行してんだ?!別に僕は気難しいことは言わない。他人の権利を侵害しない限り何をやったっていいと思う。たとえまともな就職の機会を失ったとしても日本で餓死することはない。が、この連中が可笑しいのは呆れるほど抽象的な生を生きているくせに半端者の自覚もなく、何か自分が特別高等な人間であると錯覚していることだ。曰く「考えなくてもいい。感じればいいんだ。」曰く「就職は機会があればするかもしれない。」
本書の後半部分は作者が旅先で出会った人々の帰国後の後日談が収められているが、一部を除いてまったく冴えないトホホな話が続く。当たり前だけど。
ま、まだ若いんだからめげないでね。(と言ってるそばから帰国してまたすぐインドに旅立つ奴がいるんだから、もう・・・)。
ちなみに小林紀晴氏はついに小説まで著されたようである。ある意味、本書の登場人物で彼がただ一人人並みの戦力的思考の持主だったのかもしれない。
おめでとうございます。
終着点のない旅のもどかしさ
(2002-08-14)
旅先で日本人旅行者に話を聞き、帰国後に日本で「あの旅は何だったか」と再度問う。そのスタイルの斬新さに惹かれた。
さらに、旅先での写真と帰国後の写真のギャップも興味深い。「旅人」と「定住者」の表情の違いなのだろう。
筆者は、旅行者に問いかけながら、自らが旅をする意味を探し続ける。それは「深夜特急」にはロンドンという終着点が一応設定はされていたのと比べても、終わりの見えないもどかしさや、すぐに終わってしまう危うさを秘めていた。
旅行好き、アジア好き、そして「深夜特急」ファンにぜひお勧めします。
今までに無い旅文学のカタチ
(2001-07-29)
この作品は今までにない旅文学・・っと思います。沢山の旅文学を読んで来ましたが、作者が旅をしながら、同じ旅人に「旅とは何か?」を問い、そして旅を終えた旅人にまた「旅とはなんだったか?」っと問う・・。 新しい旅文学のカタチではないでしょうか??
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