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書くことは
(2006-04-05)
手紙、と題されたエッセイ39篇で構成されている本著。後記にこんなことが書いてある。
「書くというのは、二人称をつくりだす試みです。書くことは、そこにいない人にむかって書くという行為です。文字をつかって書くことは、目の前にいない人を、じぶんにとって無くてはならぬ存在に変えてゆくことです。
この本に収められた手紙としてのエッセーは、いずれも目の前にいない「きみ」に宛てた言葉として書かれました。手紙というかたちがそなえる親しみをもった言葉のあり方を、あらためて「きみ」とわたしのあいだにとりもどしたいというのがその動機でした。これらの言葉の宛て先である「きみ」が、あなたであればうれしいと思います。」
読みながら、何処か懐かしく、切ない余韻が心にひたひたと打ち寄せる。著者のこれまで歩んできた道程から、親しいことたちを取り上げ、著者なりに綴った胸の内側の言葉たちでありながらそれは、私たち誰しもに、共通して持ち得るもの。著者の静かな視線を通して、世界が私に向かって拓けてくる気がした。
良い言葉を使うために、また後押しをしてくれる本でし
(2005-08-21)
「きみ」に宛てられた、親しいことばの贈り物。カバー説明にはこう書かれています。でも、「良い本や言葉、情景」を紹介してくれるいつものエッセーの形のものが多く、(わたしがそう思う)誰かに宛てた手紙の形のものは最後の「手紙39:痛みへの手紙」ぐらいに思えます。そんな風で、ちょっとタイトルからの印象とは違いましたが、それでも、またたくさんの、知らなかった幾つかの言葉を教えてもらいました。
沢庵和尚の言葉。心こそ心迷はすこころなれ、心に心心ゆるすな
フィリップ・ボールの「H2O-水の伝記」
この本ではさらに、長田さん自身の著作のちょっとした説明の文もあり、何冊かの本の分をまとめて読めるので、これは嬉しいかもしれません。
「黙されたことば」について、「わたしにとって言葉は黙るためのもの」とか。
「記憶のつくり方」について、「記憶をよびさます言葉の力」を書いたとか。
そのほか「世界は一冊の本」「詩人が贈る絵本シリーズ」についても書かれています。
長田さんの本を読み終わったあとでいつも思うのは、「次は自分の言葉を捜さなくてはいけない」ということです。またこの本にも後押しをされました。
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