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大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)

Steven Callahan
長辻 象平

早川書房
ランキング: 10609
価格: ¥ 798
発売日: 1999-05
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマーレビュー

諦めないこと  (2007-09-21)
 著者の乗ったヨットが,何者か(筆者はクジラと推定する)と衝突し,沈没した。イカダ(ゴムボート。筆者は「ラバー・ダッキー3世」と命名)に乗り,以後,自力で島近くまで76日間を一人で過ごす……。
 水は3リットル,食料はわずかしかなかった。
 筆者は,太陽蒸留器(海水から1日数百ミリリットルの真水が作れる)を活用するなどして,1日500ミリリットル程度の水で飲みつなぐ。しかし,この蒸留器はしょっちゅう壊れ,補修を続けなければならない。
 また,水中銃を使って,シイラなどをつかまえ,食いつなぐが,モリを発射するゴムをなくしたり,モリが壊れたりし,その都度,工夫して魚を取り続けた。
 一番の危機は,ゴムボートの2本のチューブのうち1本に穴が開いて,空気が漏れてしまったこと。チューブ1本では浮力が足りず,ゴムボート内に海水が絶えず入り,また床がグニャグニャなので足が床下に沈みこんでしまい,ボートの回りをうろうろするサメに食べられてしまう。このくだりでは,読んでいて「もうダメだろう」と思ったが,筆者は,コルクで栓をしたり,その栓が飛ばされてしまいそうになるとヒモやフォークを活用して飛ばされないように工夫する。
 数々の危機を,その都度諦めず工夫を重ねて乗り越えた精神力に驚いた。

どのような方にもお勧め!面白いです!  (2007-07-15)
「ソロ号」という小さなヨットが沈んでしまい、救命イカダで大西洋を漂流した著者の、辛抱強くまた激しい命への固執に満ちた76日間が描かれています。正直、ものすごく面白く、ドキドキしながら、一気に読んでしまいました。ときどき挿絵があって、イカダの様子などを頭に思い浮かべながら読むことができます。どのような方にも、お勧めです!

いかに自分を励ましていくか  (2006-08-25)
「ゴム製の小さな救命ボートで、月明かりも無い真っ暗な大海原を漂う。」、という筆者の置かれた状況を考えると、想像力の鈍い私でも「遭難者の90%が3日以内に死んでしまう」というのも嘘ではなさそうだと感じることができる。
エンヂュアランス号漂流記、コン・ティキ号探検記、無人島に生きる16人と、続けざまに漂流ものを読んでみたが、この大西洋漂流76日間が一番、印象深いものだった。他の本での各人が置かれた状況は、困難に陥りながらも仲間たちと励ましあうことのできるものであった。しかし、大西洋漂流76日間では、次から次へと起こる問題を全て一人で解決しなくてはならない状況で、しかも精神的に追い込まれていく描写は、不謹慎な言い方だが最高のノンフィクションとなっている。
読む価値のある本である。

驚くべき漂流記  (2005-09-08)
 大西洋上でヨットが沈没、救命ボートで76日間漂流し、生還したノンフィクション。慢性的な飢餓と絶望感の中で常に体を動かし続け、問題をひとつひとつ解決し、困難な状況を乗り切る鋼のような精神力には驚嘆した。我々には想像すら及ばない世界である。救命ボートに寄り添うシイラをモリで突き、食料とするのだが、シイラを殺したことで著者は罪悪感に苛まれる。絶望的な飢餓状態でありながらどうしてこのような感情を抱けるのか理解するすべを私は持ち合わせていない。
 重要な場面の説明ではところどころに図説も配されていて状況が非常に分かりやすく、読みやすい。究極のサバイバル・ブック。

欧米人ならではの考え?  (2004-11-08)
まずはじめに本書を読んだのは数年前なので詳細な所までは回想できず、また僅かな記憶の誤差欠落があるかもしれませんが、ご了承を。

まずタイトルで76日と書かれているが、やはりこの日数の長さは数多くのノンフィクションサバイバル本の中でも稀に見る長期間であろう。その要因は様様だが一番重要なのが大西洋という虚無な大海洋だった事が原因だ。予め世界には巨大タンカー等が頻繁に通過する目に見えない航路というのが幾つか存在するようだがそれも限りがあり、逃すと全く人気が無くなるのである。本書もそれについて触れられており、著者もそれを頭に入れてさ迷っていたらしいが、この状況においてそのような航路まで視野に入れているのは相当なものだ。

また、特に記憶に残っているのが著者(つまり遭難者)が色々な知恵を搾って生きるための術を編み出すのだ。多数読んだサバイバル本の中でも頭一つ抜きん出た術のバリエーションの多さだった。状態が悪くても色々編み出す思考が出てくるのは欧米人ならではなのかもしれない。同時に、本書の全体的なカラーは題材が漂流という絶望的テーマにも関わらず、殆どそのような暗さを感じないのだ。多くのこの手の書物は大抵ダークな色が漂う。挿入されている漂流地図や数々の地点毎のイベントが記されているが、こういう部分からも漂流本というより冒険記とも見間違えかねない雰囲気まであった。これも日本人には無いカラーであった。

また、海洋に漂うシイラ等も単なる食用という発想では無く、どういう訳か慈しむ対象にまで転化してしまうのである。或いは船を囲う海豚達とも会話を交わしているかのような雰囲気まで醸し出す。この状況においては考えられない感情だ。こう思うのは私だけだろうか?おそらく日本人と欧米人。或いは無宗教とクリスチャンを中心とする信仰人との違いなのだろうか?とまで想像が膨らんだ。

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