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宗教の心
(2008-09-28)
著者はアフリカや極地を写した、独特の美しい作品で知られる写真家。
本書では、チベット、メッカ、エチオピア、ヴァチカンという4つの宗教的聖地が題材となっている。チベットはチベット密教、メッカはイスラム教、エチオピアとヴァチカンはキリスト教である。
とにかく写真がすごい。美しく、力強く、不思議な魅力に満ちている。宗教という、どこか人間を越えたような何かを撮るには、こういう写真家が最適なのだろう。それでいてどこか人間くささが残っている点もいい。
なかでも、無数の信者が祈っている写真が素晴らしい。どの宗教においても。人が個性を打ち消され、単なる「構成要素」となっているのだ。宗教の恐さと力強さを感じさせられた。
美しさ
(2005-06-30)
「祈り」ということばはそれ自体が美しい。私は無神論者だが、宗教という存在は当たり前に発生したものだと思っている。それにすがるひとが弱いとは思わない。その人が「何かを信じる」その行為自体を私はとても美しいものだと思う。それが宗教であろうと、なんであろうと。世界は広い、狭くて広い。一生に会える人は世界人口のほんのひとつまみだ。そのような、狭い世界で個人の価値観は育つ。そんな小さな価値観だから、大きなことは言えないが、この本は、こころが暖まる笑顔や優しさ・せつなくなるような敬うべきようなたくさんの光景がつまっている。
さまざまな祈り、さまざまな価値
(2004-08-11)
世界中のさまざまな宗教のさまざまな祈りについて書かれた写文集です。多くの写真に写された真摯な祈りの光景は、見る者の心を打たずにはおきません。祈る光景は、なぜこうも人の心を打つのでしょう?
「人間が犬畜生と違って、ただ生きているだけでは満足できず、生きるための価値(宗教等)を求めるのは、人間の弱さの故である。」と言った人がいます。私もその通りだと思います。私たち人間は、弱いのです。私もクリスチャンの端くれだから、自分の弱さ、卑怯さがよくわかります。
今、世界中でテロと戦争の嵐が吹き荒れ、多くの人が殺されています。それらは、経済的な要因(欲)も大きいでしょうが、何よりも価値(宗教等)の違いによる争いだと思います。
この本を読む(見る)と、世界中の実にさまざまな場所で、実にさまざまな人が、本当にいろいろな宗教(神・仏)を信じ、真摯に祈っていることがよくわかります。
「さまざまな祈り、さまざまな価値があっていいじゃないか。お互いの違いを認め合い、共存していこうじゃないか。」そんな気持ちにさせてくれる本でした。
この本の最後の一文、「多様な思想が共存できるところから、生き延びてゆくための知恵は生まれるのであろう。」に私も賛成です。
美しい写文集ですから、見るだけでもおすすめの本です。
世界をより広く知りたい人にもおすすめです。
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