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書評家としての宮脇俊三氏
(2006-08-31)
乗る旅の方はいつもながらの軽妙な筆致で楽しく読ませる。読む旅は、殆ど知らなかった宮脇俊三氏の部分で、さすがに名編集長として慣らした人であったことをうかがわせる。最後の令嬢による父親像は愛読者としてはとても参考になった。
読む旅
(2006-02-04)
まずタイトルに引かれて購入しました。「読む」ことで旅ができれば時間もお金もない人には本当に有難いので。
前半のエッセイでは、こんな身近にも旅があるのかと、目からうろこでした。肩肘張らずとも、旅はすぐ近くに存在するんです。後半は宮脇さんが書いた書評や解説が集めてあります。まだ一冊も読んでいませんが、全部読みたくなりました。また、「読む旅」ができるかもしれません。
鉄道旅行好き
(2006-02-01)
鉄道が大好きな著者の本です。前半部分は、アメリカ、日本の鉄道旅行記で、鉄道ファンらしい視点で、旅行の様子が楽しめます。これが、乗る旅。後半部分は、様々な作家の紀行文のあとがきを集めたもの。これが、読む旅。著者の元編集者の視点なのでしょうか。後半は、変わった企画で、これはこれで、ユニークで面白い本だと思いました。
書評・あとがきなど
(2005-10-25)
2000年にJTBから出た単行本の文庫化。
2003年に宮脇氏は亡くなったので、文庫版には娘の宮脇灯子さんによる「父のこと」が収められている。宮脇氏の実像を知る点では貴重。
宮脇氏の最晩年の著作で、前半はアメリカ、イギリス、米坂線などの鉄道乗車記。しかし、力が衰えており、感想としては「残念」と思うだけである。
後半は宮脇氏の手掛けた書評、あとがきなど。会田雄次の『回想アーロン収容所』、アラン・ブース『津軽』などが取り上げられている。所詮はあとがきであって、「どのように褒めるか」に腐心しているさまが哀れ。
宮脇ものは受けるからといって、こんな本まで出してしまう出版社の姿勢には疑問を感じずにはいられない。
すぐれた感想文集
(2004-10-16)
前半の「乗る旅」は国内外の旅行記、後半の「読む旅」は解説・書評を選んだ「感想文集」である。
宮脇さんの晩年の旅は、主体がどちらかというと興味より体力の限界との闘いにあったようで、各編につらそうな表情が見え隠れして痛々しい。もともと宮脇さんの紀行には体を張った部分が多かっただけにご本人もさぞ不本意だったと思う。さびしさを禁じ得ない。
ところが、後半の解説・書評には一転して全盛期を感じさせる迫力に満ちた力強い文が次々に現れ、宮脇さんはこんなにも凄い人物だったのかと圧倒された。紀行文よりむしろ書評にこそ、作家としての真髄が発揮されているのではないかと思うほどである。宮脇さんの短い文章に内容を凝縮する才能と、名編集者ゆえの著者思い、読者思いの姿勢が成した偉業というべきかもしれない。
では、このすばらしき「感想文集」に「感想文」を添えるのは誰か?
それは、他ならぬ実娘の灯子さんだった。一流の文章は一流の人間にしか書けない、という信念を持ってつねに自身と格闘した父を客観的に見つめるには、肉親の「生々しさ」を乗りこえなければならなかったという。解説「父のこと」を書くにはかなりのエネルギーを消費されたことと思う。
しかし、灯子さんのおかげでこの本はずいぶんと厚みを増した。なぜなら、これほど身近な解説が書ける立場にあるのは肉親である灯子さんをおいてほかにいないからだ。「父のこと」もまたすばらしい「感想文」である。
読んでよかったな、としみじみ思っている。
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