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神々と人間の/ともに住まえる/めでたき大地/アイヌモシリ
(2003-04-15)
本多勝一という名前にガチガチの左翼を連想される人たちには、この本は全く意外に感じられると思います。こちらには、あの辛らつで過激な、巧まざるユーモアを発揮する本多氏はいません。500年前の、まだシサム(日本人)との関係に重大な問題が生じていなかった頃のアイヌの生活が、詩情豊かに描かれています。でももしかすると、本多勝一という人は本来こちらのような作品を書くタイプの人で、それがジャーナリストになったのであれほど過激になった、ということかもしれません。本多氏は幾度か、自分はタマタマ新聞記者になってしまった、という類の発言をしておられますが、こちらの本を読めば、もし氏が新聞記者ではなく別の分野に進まれていたとしても、何らかの業績を残された人だということがよくわかります。大変多才な人だと思います。
月並みな言い方になってしまいますが、幸福とは何か、美とは何か、といった根源的な問いについて、改めて考えさせられます。私たちは毎日毎日、時間に追いかけられ、すべての価値を金額に換算して、便利イコール幸福と思い込む生活に慣らされてしまっています。でも、幸福とは私たち一人ひとりの胸で感じるものであるなら、はたして、500年前のアイヌの人たちよりも現代人のほうが幸福だ、と言えるのかどうか?
妙に理屈っぽくなってしまった(西洋かぶれした)私のような人間にとっては、心を洗われるような一冊でした。いわゆるアイヌ問題を扱っている本ではありませんので、<自然>とか<癒し>とかに親しみを感じられる方も、是非。
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