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極北の先住民:イヌイットを悲劇が襲う。 事もあろうに、ピザ、アイスクリームを喰らうとは!!
(2008-08-10)
著名な冒険ルポライター:本多勝一氏の突撃ルポルタージュ”極限の民族”3部作の筆頭である(あとの2作はニューギニア高地人とアラビア遊牧民)。1963年当時、朝日新聞の夕刊に連載され、超話題となったシリーズを、一冊の文庫本にまとめた物である。くしくも今年、45年振りに、朝日新聞が再び、かの地を訪れて追跡リバイバル・ルポを連載しているので、懐かしく思い出された方も多いであろう。今回、読み直してみて、実に素晴らしい傑作であることを再確認できたのだ。
エス0モー(生肉を喰らう人々という意味)は差別用語だという事で、今では彼らをイヌイット(人々という意味)と呼ぶのが一般的である。イヌイットは草木も生えない(当然農耕は不可能な)永久凍土地帯(グリーンランド、北カナダ、アラスカ、シベリアのツンドラ)に何千年も住み付いている先住民である。イヌイットは我々日本人と同じモンゴロイドで、4500年前までにグリーンランドに到達したと言うのが定説である。現在も彼ら本来の食習慣(完全肉食:高蛋白・高脂肪・糖質ゼロ食)を続けている群には、糖尿病もメタボも心臓病もない。つまり動脈硬化が進まないのだ。また、驚くべきことに、出血時間が計れない位、血液サラサラだと報告されている。更には、彼らには生活習慣病だけでなく、アレルギー疾患もない。そうなのだ。イヌイットの存在自体が、此処に挙げた諸病、病態が実は”穀物病”である事と、人類は肉食動物として進化してきた事を示す良い証拠なのだ。ボンクラ学者が言うように人類がもし元々、草食(穀物食)動物なら、イヌイットの存在はどうにも説明の仕様が無いのである。また、”1日最低100-150gは炭水化物を摂らないと、ケトアシドーシスになって危険である。”とか、”イヌイットは実は1日100gは炭水化物を摂って来た様である。”とか、のたまう御仁が時々いらっしゃるが、このルポを読めば、それが珍説(苦し紛れのコジツケ)であることが良く解るのである。ヒト(H.サピエンス)は炭水化物を摂らなくても何の問題も無く生きて行ける事、世代交代して行ける事を、彼らは身をもって我々に教えてくれているのである。
しかし、今年の朝日夕刊の記事によれば、今の若いイヌイット達はピザやアイスクリームが大好物だという。そして、伝統的な食事をしなくなった一部のイヌイットには、我々と同じ生活習慣病(=穀物病、糖害病)が既に発生し始めているという。実に恐ろしい事である。 400万年前からこの地球上に最後まで残っていた人間本来の良い食習慣(肉食・骨髄食)が、炭水化物(穀物)食という、たった1万年前に始まったに過ぎない悪食習慣に取って代わられつつあるのだ。実に悲しい事である。惜しい事である。私はイヌイットの行く末を案じざるを得ない。
このご本は、この際、釜池豊秋先生が提唱しておられる”穀物病”という概念を学ぶ為と、私が提唱している”一万年前の取引”の功罪をもう一度考える為の、極めて良い教科書としてお勧めできるのだ。食事と健康、長寿に関心のある方は是非読みたい名作古典である。
(注)穀物病:釜池豊秋先生がその著書(医者に頼らない! 糖尿病の新常識・糖質ゼロの食事術 かまいけ式でスローエイジング! )の中で提唱しておられる概念。生活習慣病はその殆んどが食習慣病である。世間で言われているほど、運動不足は関係しない。この事は久山町研究で証明されている事である。喫煙習慣(ニコチン依存症)による肺気腫などの疾患や、大量飲酒習慣(アルコール依存症)による肝硬変などの一部の病気を除けば、殆んどが”炭水化物依存症”(カーボ依存症ともいう。その証拠に糖質を止める時には、禁煙する時と同じ禁断症状がある。)による病態ばかりといえる。糖尿病、脂質異常症、高血圧、メタボ、動脈硬化、がん、変性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患、うつ病、・・・と数え上げれば限が無い。これらは将に穀物(炭水化物)を食べ過ぎている為に起こって来る病気(だから”穀物病”と呼ぶ)といえる。これは炭水化物を栄養素と誤解している為に起こって来る間違いである。そもそも炭水化物は蛋白質や脂質と同列ではない。栄養素と呼ぶに値しない。何故か。必須アミノ酸と必須脂肪酸(必須だから絶対に食事で外から摂らないといけない。体内では合成できない。ビタミンも微量元素も同じ。)はあるが、”必須糖質”なるものはヒトでは存在しないからだ。これは全く議論の余地の無い生化学的事実である。糖質は必ずしも外から食べなければならない物質ではなく、体内で幾らでも合成できると言う事である。イヌイット(完全肉食:高蛋白・高脂肪で糖質ゼロ食)が何千年も死に絶えていない事実もその証拠と言える。糖質を食べなくてもヒトは生きていける。食べる必然が無い上に、炭水化物には依存性や病原性(例えば、危険な食後高血糖:グルコース・スパイクや、老化を加速するインスリン・シグナルをもたらすのは、糖質のみ。蛋白質でも脂質でもない。これももはや議論の余地の無い科学的事実。)があるとなると、炭水化物は栄養素と言うより、むしろ”嗜好品”と捉えたほうが正しい認識ではなかろうか。その意味では、炭水化物はタバコと同じカテゴリーに入れたほうが良いのだ。炭水化物を蛋白質や脂質と同列に扱うなど、”以ての外”なのである(笑)。嗜好品という事であれば、炭水化物やタバコを、そのリスクを充分理解した上で、自らの判断で摂取するのはそのヒトの自由である。従って、将来自らの身に起こって来る災いは総て”自己責任”という訳だ。”タバコのない人生なんか考えられない。禁煙して少々長生きしたって仕方が無い。”とか、”カレーライスも、ラーメンも、寿司も食べられない人生なんてつまんない”とか、仰る貴方、大いに結構。とやかく言うつもりは無い。しかし、炭水化物の食べ過ぎで糖尿病になった患者さんに、高炭水化物食(カロリー制限バランス食)を指導している今の日本の医療の現状は、喩えれば、タバコの吸い過ぎで肺がんや肺気腫になったヒトに、ニコチンの虜ゆえにタバコから足を洗えない時に、喫煙を更に奨めているのと同じである(恐)。そこまで行ったら、やっぱり止めましょうよ。タバコも炭水化物食も。幾らお好きでも。命懸かっているんですから!!”スイーツやめる位なら死んだ方がマシよ。”と仰る貴女。本心から命よりそっちが大事なら、どうぞご自由に(笑)。ニコチンやカーボを続けて病苦早老早死するのも、それらからきっぱり足を洗って健康長寿(PPK)を目指すのも、結局貴方次第、貴女の選択なのだ。
1万年前の取引:誕生以来400万年間、狩猟採取民として常に飢えていた人類が、1万年前、農耕を始めた事で、より多くの人口を養う基盤が固まった。社会は大型化、複雑化、分業化し、各地に文明が芽生え、地球上の盟主への大出世の原動力となった。しかし、これと引き替えに(だから、取引:トレードオフなのだ)、人類は糖質(穀物)という大きなリスク(万病の元で老化の元)を背負い込んだ。現在、地球上で何億、何十億という人が、いわゆる糖害病、穀物病に苦しんでいるのだ。この事実を私は、”1万年前の取引”と呼ぶ。これは丁度、16億年前、我々のご先祖の原始的生命体が、その体内にミトコンドリアを取り込んだ事により、大型で複雑な生命体(多細胞生物、真核生物)へ進化する道が拓けた代わりに、活性酸素の発生とそれによる酸化(サビの発生、これも万病の元で老化の元)という進化上の”宿命”を負うことになった、いわゆる”16億年前の大事件”と実によく似ているのだ。従って、この二つの事件を、私は生命史上、人類史上の“究極の2大トレードオフ”と呼んでいる。因みに、私は、この”究極の2大トレードオフ”を常に意識したライフスタイルを、”LOLAS”(ローラス:Lifestyles Of Longevity And Sirtuinsの略 。LOHASをもじったもの。恥ずかしながら、私のハンドルネームに使わせて貰っている。) として提唱させて頂いている。(1万年前の)取引であった以上、今更、契約を反故には出来ない。今、農耕を放棄するという事は、地球上の何十億人もが餓死するという事である。取引だった事にようやく人類が気付いた以上、いかに折り合いを付けるか、いかに炭水化物を”必要悪”として上手く利用していくか、が今後、議論すべき大問題になるのだ。もちろんこの際、食糧、地球環境・温暖化、エネルギー・資源などの諸問題の上流にある本丸:”人口問題”も議論の対象にせざるを得ない。避けて通れない。しかし、どうするにしても、社会システムの大変更を伴わざるを得ないのである。トコトン突き詰めると、個体の数と個体の寿命は二律背反なのかもしれない。あちらを立てればこちらは立たず、決して両立することはない。ここが根本的なトコで、Sirtuinsの本質であると私は考えている。そう理解すると、地球が耐えられない程に人口過剰(個体数超過)になってしまっている21世紀の現在、個体の寿命は理論的には縮まないといけない、と言う事か?!(恐)。
名著であります。
(2008-02-03)
本多勝一・藤本高嶺のコンビによるルポルタージュ3部作の1作目、時は1963年、朝日新聞でずっと読んだ記憶がある。毎日連載された?のでしょうね。そのあと単行本になったのでそれも買った。文庫本になってからも買った。写真が新鮮であったエスキモーのおじさん、娘さん、犬ぞり・・・全てがわくわくさせてくれた。海外の情報がそれほど入って来ず、しかも北極のエスキモーの住んでいる地域(当時はグリーンランドだと思っていたように思う)に実際に行き、同じ生活をしてみるなんて途方もない冒険に思えた。この時の本多勝一は好きである。単純な報告でない奥行きを感じたものである。
ルポを超えた傑作、文句なし!
(2006-05-05)
極北民族の在りし日の生活をあますところなく伝えたルポの傑作!
今やここまでの生活をしているイヌイットもいまいが、約40年前には存在していたのだ。
アザラシやセイウチを生肉のまま、好きな時間に各自が食べる習慣に驚き、なかでもカリブーが最高に美味で、本多氏も絶賛しているのが印象的だった。
取材した本多氏やカメラマン氏が生肉を食すの読み、私には出来ない、絶対に腹を壊すと驚嘆し敬服したものだ。
ともあれ本書は傑作である。本多氏が好きな人も嫌いな人も認めずにはいられない傑作である。
イヌイットがセイウチを仕留めるところでは、読んでいてあまりの臨場感に興奮してしまったものだ。
この部分だけでも値打ちある作品である。
原点かな
(2005-11-25)
本多勝一に対して拒否反応を示す人が,どうも,最近ますます増えているようですが,この本はだいじょうぶでしょう。著者の一連のルポの原点といえる作品で,抜群におもしろいです。
もうずいぶん昔のことなので,エスキモーたちも,今ではまったく生活様式が変わってしまったことでしょう。エスキモーという言葉もいつの間にか差別用語ということになってしまいましたし,そう考えれば,この本は歴史的価値も併せ持ってきているのかなとも思います。
ジャーナリズム志望の学生は必読だと思います。もっとも,いまの新聞社ではこのような長期ルポは絶対に不可能ですが。
生臭い本。
(2002-07-05)
何かの授業のテキストとして初めて読んだこの本。
「あざらしの目玉を食ったら生臭くて吐き出した」というのが強烈でした。
その生臭さが本当にリアルで、
そんな状況に、自ら進んで身を置いている
「本多勝一」とはなんて不思議な人なんだろう。と思った。
私の日常と、その想像を絶する世界とのギャップが面白くって
一気に読破したけど
それにしてもまあ。生臭かったなあ。(笑)
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