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日本縦断 徒歩の旅―65歳の挑戦 (岩波新書)

日本縦断 徒歩の旅―65歳の挑戦 (岩波新書)

石川 文洋

岩波書店
ランキング: 231091
価格: ¥ 735
発売日: 2004-05
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマーレビュー

過去と向き合う旅  (2008-12-22)
著者は沖縄出身のカメラマン。ベトナムやアフガニスタンなど戦場ばかりを渡り歩いてきた。
 そんななか、人生の一区切りとして日本縦断の旅を思いついたらしい。65才という年齢である。もう若くはない。どこまで歩けるのか、そんな不安を抱えながらの旅となる。
 どちらかというと、自己の内面と向き合うタイプの旅行記であった。戦場での体験、なぜカメラマンとして写真を撮り続けてきたのか、沖縄という出自。旅するなかで、過去の記憶が繰り返しあらわれてくる。
 けっこう重い本である。一般の旅行記として読んではいけないだろう。読み終えたとき、痛いほどの虚しさが残るのが印象的。

資料として記録として記事として。  (2005-12-31)
北海道の宗谷岬から沖縄県の那覇市まで3300Kmを徒歩で縦断した石川文洋さんの記録。
日本の良さと悪さ、大きさと小ささ、美しさと醜さ、色んな景色や出来事や人の出会いを
彼の写真と文章を通じて紹介している。
旅の行程の所持品や出会った人を詳しく掲載しているし、旅の記録としても優れているし、日本の現状を知るためのニュースとしても素晴らしい。
「えー歩いて日本縦断した人がいるんだ!」って人は、ぜひとも読んで欲しい。
毎年5人くらいが挑戦しているのですよ(経験者は語る)。

150日をかけて日本を徒歩で旅することの贅沢  (2004-07-22)
 北海道・宗谷岬から沖縄県・那覇まで150日間に渡る徒歩の旅。著者は「歩いている間は誰にも束縛されない自由時間のように感じる。歩いている時は夢や空想が広がる。だから歩くことが好きだ。」と書く。同感である。サブタイトルに“65歳の挑戦”とあるが、今の時代、さして強調するほどの高齢ではない。それよりも、人生の中で、仕事では無しに、150日の徒歩の旅をする自由を得たことが素晴らしいし、羨ましい。生活に追われるとなかなか、こんなスタイルの旅は発想もできないし実行もできない。そういう意味で、これはもっとも贅沢な部類の旅と言えるだろう。
 日本縦断という旅のコンセプトもロマンをかきたてる。昔、機関車を改造した車で日本を縦断する「走れ! ケー100」というロードムービーがテレビで放映されていた。一話一県ペースで続く週イチのドラマだったが、次は何県かとわくわくしながら毎週見た記憶がある。日本は南北に長く、各県の風土に特徴があるのでこうした企画が成り立つ。本書も同様で、取り立てて何が起こるわけではなくても、各地方の表情の描写だけで豊かな紀行文になるのだ。しかも徒歩という手段を取ったことで、見落としがちな風景を活写している。
 物質文明への懐疑や反戦平和の主張など著者の信条についての記述がやや過剰に感じられたのが残念。もちろん旅を通して著者が感じたことを書き連ねているのだが、新書という制約の中では、もっと旅そのものに関しての具体的な記述に特化しても良かったのではないか。

 もう1点。やはり、願わくば、プロカメラマン石川文洋がこの日本縦断の旅を通して撮影した写真の数々を見てみたい。

これを読むと歩く旅がしたくなる  (2004-06-28)
〜▼歩いて旅ができるということが驚きだった。200年ほど前までは本当に歩いて旅すること以外にはなかったとはいえ、歩くための道路が整っているのは、せいぜい東海道等のメインの街道だけだと思っていた。
〜〜
 北海道から沖縄まで歩くといっても具体的に日数や費用がどれだけかかるのかはイメージできなかったが、この本を読むとそれがわかった。わかった途端に自分でも旅に出たくなった。
 石川さんの旅は現代の徒歩の旅で、それによる課題も示されている。歩行者のための道がない道路やトンネル。そのために余儀なくされるコース変更。
〜〜
 様々な物を見て写真に撮って、そして考えて。石川さんの文章は実に淡々として事実をのべているだけ。自分の意見を押しつけるようなことはない。ただ読者が読んで感じるための材料は提供されている。これが報道の基本だと思う。
〜〜
 また、ネットを使って宿の予約をする(石川さんの場合は自宅で奥様が)ということにより効率的に旅を進めるという方法もとても参考になった。
「夢は思い続けると必ず実現する」と石川さんは書いている。それはずっと自分で意識してどうやれば実現できるかを考え続けることだからだろうと思う。僕もそうありたい。〜

足で書く文章  (2004-06-18)
2003年7月15日、北海道宗谷岬をスタートして、12月10日、沖縄那覇市に到着するまで、65歳の石川氏は日本海ルートを通って全て徒歩で歩きとおす。

難しい動機があるわけではない。「歩いて旅をしたかった」男の子なら一度は持つ夢である。正直な予算の公開、リュックサックの詳細な中身、朝・昼・夕飯の内容、宿の感想、そして出会った人たちの名前と年齢、自然、本当に正直に毎日の行動が記録されている。文章は素朴そのものだ。しかし、ジャーナリストとして事実を伝えようとする氏の誠実さは充分伝わるし、旅の中でふと思う感想から氏の戦争カメラマンとしての半生が浮かび上がる。

たまたま出会ったおばあちゃんの83年間の人生を聞く。夫のビルマ戦死、二人の子どもを育てた苦労、「元気の素」は娘二人と孫六人、曾孫13人なんだよ、というようなことを聞いていく。氏はあくまでジャーナリストなのである。文は見事に「足で書く文章」(報道記事の基本)になっていた。

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