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イスラムのことがよくわかる
(2007-02-21)
イスラム教については詳しくないし,本もほとんど読んだことがないが,この本はイスラム教の本質を適確に表現していて素晴らしい。イスラム教が「偶像崇拝の禁止」ということをここまで現実のものとして徹底的に行っていることについては驚嘆させられる。神と個人の対峙ということを信者一人一人に具体的な行動として感得させるという点では他の宗教の追随を許さない(変な評価ですが。)。こうしたことはビジュアルで見るのが一番。
最後にサウジアラビアのイスラム圏における位置や米国との微妙な関係についても短いながら分かりやすく触れられていて参考になる。
巡礼者たちの生の姿がよく捉えられていてとても参考になった
(2004-12-17)
大型写真集「メッカ巡礼」と岩波新書「メッカ-聖地の素顔-」ともに拝見しましたが、予期とは逆に写真は「メッカ-聖地の素顔-」の
方が美しく、文章の方は「メッカ巡礼」の方が充実していました。
「メッカ巡礼」に収められている写真の半分以上はメッカ-聖地の素顔-」にもカラーで収められており、印刷も遜色なく、サイズが小
さい分かえって精緻です。新たに追加された写真にもよいものが多かった。文章は撮影者によるもので、撮影の経緯や聖地で目にした
巡礼者たちの生々しい印象やジャーナリスティックな視点が語られています。
「メッカ巡礼」の方は、金色の飾り文字のクルアーンの章句を装丁に取り入れたりした記念的美本をめざしたもので、サイイド・ホ
セイン・ナスル氏の解説文(小杉泰訳)により神殿と巡礼が表している象徴的意味がくまなく説明された素晴らしい資料です。
例えば、「アラファトとはアラファの野という意味で、楽園を追放されたアダムが旅の果てにイヴと再会した地である、アダムはそ
のそば(メッカ)に神殿を建てた。それをおよそ一千年の後再建したのがイーブラヒーム(アブラハム)であり、さらにムハンマドとはその
原初の教えを再興した最後の使徒である、このようにイスラムは人類の原初性と結び付いている」「大洪水の時アダムの遺体が浮かび
上がりノアの方舟とともにカアバ神殿の周りを七回回った、巡礼者がカアバ神殿の周りを時計と逆方向に七回まわるのは過去・原初へ
と戻りながら罪を落としていくことを象徴している」等。
信徒たちの行動の概要は聞き知っているが、その意味が知りたいという方にお読みいただければと思います。高価ですが、読んでか
ら売りに出す手もあります。
その純粋な形での精神性を知りたい読者には「メッカ巡礼」、生の実体を知りたい方には「メッカ-聖地の素顔-」という所ですが、両
方ともいいです。特にムスリムになって大巡礼しようという方は両方知っておく方がよいと思います。
異文化理解の過程が興味深い
(2004-07-28)
筆者は「メッカ」「サハラ」などの写真集を上梓している世界的に有名なカメラマン。外国人がイスラームの聖地メッカを撮影する際の苦労談でもあるが、一写真家が、イスラーム文化という日本人には遠い文化と接触し、理解しようとつとめる記録でもある。異文化との接触、邂逅、そして理解に至るまでの過程。筆者が謙虚にイスラーム文化と触れ合おうと努力する過程が興味深い。新書サイズの写真だが、数十万人のイスラーム信者がぬかずく写真を畏怖の気持ちで見るか、底知れぬ信仰の恐ろしさを感じるか、それは読者次第。信仰の偉大さと同時に、ある種の怖さも感じさせる写真である。写真自体をもっと見たければ、豪華写真集もあるのでそちらもどうぞ。(松本敏之)
真実を知るために
(2004-03-15)
今まで,その真の姿をうかがい知ることのできなかった「メッカ」。本書の写真からは,メッカの荘厳な雰囲気が強く伝わってくる。近年イスラームに対しての偏見が強まり,誤ったイスラーム観念が広がる中,本来のイスラームの存在感が新鮮な形で伝わってくる,そんな書である。自らムスリムとなって,メッカの姿を伝えてくれた野町氏に感謝するばかりである。
極めて価値あるメッカ巡礼紀行文
(2003-12-21)
「!....................................」
まず初めに、日本人である著者を信頼し取材を依頼した、預言者ムハンマド直系の子孫、ムスタファ.アル=メハダル氏に感謝したい。氏は異教徒である著者によくぞ写真撮影を依頼していただいた。
加えて、著者はこれに応えるべくよくぞイスラム教徒に改宗したと思う。こうして築かれた信頼関係がこの書を生んだといってもよいでしょう。
本書は大変貴重な巡礼紀行文であるとともに、人間のもつ信仰心とはいかなるものかをまざまざと見せつける書です。
イスラム教徒以外の世界中の人々は、イスラム教徒の聖地のことはまったく知り得ません。なぜならサウジアラビア政府は異教徒の観光目的の入国を認めておりませんし、まして聖地となればいかなる理由がありといえども異教徒の侵入を拒絶するからです。
しかし、著者はイスラム教徒に改宗したため、これが可能になったのです。
イスラム教の聖地について、これほど精密に記述した一般人向けの書は在しないとおもいます。
本書によれば、年に一度ハッジと呼ばれる大巡礼がこの地で行われ、世界中から約200万の人々がこのメッカに集まるのだそうです。200万の人々が「アッラーフ アクバル」のかけ声のもと一斉に同時に額づく光景は言葉に尽くせぬものがあります。
また本書には、メディナにあるムハンマドが埋葬されているモスクや、メッカの中心にあるカバ宮殿についても詳細に記述されています。
私は本書を読んで、世界中のイスラム信者は国籍や人種に関係なく、神の前ではみな平等であり、このメッカを中心にして強く結ばれているのだとつくづく感じました。
これは安すぎる値段だと思います。
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