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アナバシス―敵中横断6000キロ (岩波文庫)

アナバシス―敵中横断6000キロ (岩波文庫)

Ξενθφων
松平 千秋

岩波書店
ランキング: 251487
価格: ¥ 840
発売日: 2002-07-09
発送: 只今品切れ中

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カスタマーレビュー

アレクサンダー大王も愛読した本  (2007-12-03)
いえ、アレクサンダー大王の愛読書は実際は『イリアス』なんですが、ペルシア遠征に参考にしたのは確実と言われる本。昔々に読んだものを最近パラパラ読み返していたら改めてなかなか面白いと実感しました。2400年前の落ち武者記録が読めるということ自体がスゴイです。ソクラテスの時代の記録ですよ。ガリア戦記よりずーっと古いんですからね。
人によっては詳細過ぎてダレる部分もあると思いますが、家人は地図片手に読み進んだら楽しくて仕方がなかったそうです。「え?昔はこんなところにこんな動物(ライオンとか)がいたの!?」とか「この地域はこんなに緑なしていたの!?」とかとかエコシステム系の見方をしてもなかなか楽しいです。有名な「海だ、海だ(タラッタ、タラッタ)!」の場面に辿り着くと、2400年の時を越えてこちらも「良かったなぁ」と感動します。
他のレビュアーの方のご指摘通り、クセノフォンの自己美化が素晴らしいというかよくやるよというか。要所要所で名演説をぶつ自分の姿を念入りに描写するあたりなど、「それホントか〜?」というか。しかし最も胸に響くのは、古代の人間と現代人が大して変わらないように思えることです。いや実際変わらないのでしょう。彼らの方が間違いなく体力ありますけど。

事実は小説より奇なり・・・  (2007-08-17)
 「アナバシス」って何?

 「敵中横断6000キロ」って・・・なんか凄そう!!

 で、作者が、クセノポン!
 プラトンと並んで、ソクラテスの弟子の一人!
 ということで、読みました。

 事実は小説より奇なり・・・
 冒険小説顔負けのなんとも凄い物語でした。


 敵中で孤立したギリシア人部隊を率いた時、
 クセノポンは、弱冠30歳ほど。
 年齢の点もあり、明確な指揮官にはなりませんが、
 1万3000余名のギリシア人を、鼓舞する演説を再三にわたって実施し、
 部隊全部の窮地や自身への誹謗から身を守ります。

 言葉による説得がいかに大切であり、有効であることか

 が、緊迫した局面で登場するので、ひりひりするほど強く伝わってきました。

 クセノポン・・武人でしたが、やっぱり、ソクラテスの弟子だったんだな、
 と思った瞬間でした。

軍記物として読んでも面白い  (2003-06-10)
ギリシャ的な、あまりにもギリシャ的な、と言いたくなる本。
確かに、古代の武具にどのような物が使用されていたのか、また、陣形はどうだったのか、という、興味深い資料ではある。
しかし、それだけではない。
人物の描き方が生きいきとしていて、歴史小説としても楽しめるだろう。

ただの回顧録、という文体ではなく、ホメロスからの長いギリシャ文学の形式は引き継がれている。
訳注も充実しているので、古代ギリシャに興味がある人なら楽しめるだろう。
しかし、クセノポンよ、自分のことをここまで格好良く描けるとは、さすがにギリシャ人だ。

2400年の時を越えて今に伝えられた貴重な書物  (2002-10-26)
この書は、紀元前401年ペルシアの小キュロスの叛乱に参加したギリシア部隊の物語であるが、戦闘の様子ばかりでなく多くのことを今に伝えてくれる。
○小アジアからバビロンまでの日程や、途中にある町の様子やその規模
○当時のギリシア兵が戦闘の技術ではペルシア人より遥かに上であったこと
○戦利品に共同のものと個人のものがあったことや、組織内の細かな取り決めがあったこと
○行軍中の食糧の入手の仕方や、集会を催しての意思決定の仕方
○現在の我々から見れば戦争に行って、帰る先は家族の元という感じがするが当時のギリシアでは傭兵として転々とするのが普通であったらしいこと

この書を読み終えて強く感じることは今も昔も人間の感情が殆ど変わっていないということ。

古代の傭兵部隊に飛び込んで  (2000-12-13)
これは非常にユニークかつ貴重な記録です。他の歴史書と違って、 著者であるクセノポン自身が全て自ら体験した事だからです。 有名なマラトンの戦いやサラミスの戦いなどについて書かれたものは、 全て事後の取材によって書かれたものなので、自国びいきや誇張癖など 割り引かなければならない要素がたくさんあります。

ヘロドトスやトゥキュディデスのそうした歴史書が上空からの カメラで捉えた像とするならば、このアナバシスでは、 カメラは一行と労苦を共にしているわけです。 著者がその一行のリーダーであった事は、現在こうしてこの記録を 読む我々にとってはこの上もない幸運でした。

各地を通るそのたびにかけひきをし、兵士たちを食べさせ、

安全を計り、不満が爆発すればなだめた本人の書ですから、当時の同盟国、 敵対国とはどういうものなのか、当時の行軍は、モラルはどんなもの だったのかが、淡々とした事実の記録を通して赤裸々に語られます。

一兵士の記録であったら、ここまで「なぜ」はわからなかったでしょう。 なぜそっちを通るのか、どうやって食物を調達したのか、

なぜその民族が追ってくるのか、など、読者は読みながら その全てを一緒に体験していくことになります。

星4つとしたのは読者を選ぶためです。 古代ギリシアについてある程度知っていないと、あまり 意義がわからず冗漫に感じるかもしれません。 間違いなく古代ギリシアの入門書ではありませんが、 主な歴史書を読んだ後、戦争の現場を知るために

ぜひ読まれることをお勧めします。

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